--コラム【e-learning考察[1]】 --

 e-learningは賛否両論があるようだが、ここでは賛成の立場で述べていく。だからといって、否定論的立場の思考等に対して全く異なる立場を述べるわけではない部分もあるので、読む際にその点はご承知願いたい。
 さて、筆者がe-learningに興味を持ったのは、東京大学大学院・情報学環学際情報学府(以下、学環・学府)が行っているe-learningの実験を知ってからである。そこの学生でないので、一部制限がある場合もあるが、その点に関してはここでは留保としておく。
 筆者が見てみた授業は「コミュニケーション・システム」(原島博 教授)である。学環・学府の特徴とも言えるべき、文理融合・学際情報的なものである。教授が行っている顔の研究に関する内容、技術の進歩と将来の問題考察、など多岐にわたってアプローチしてくれるものであった。
 さて、その内容はともかくとして、ここで述べたいのは、e-learningの有用性である。まず、誰もが知っていることであると思われるが、いつでも、どこでも授業が受けられることである。これは何かの理由で忙しい場合になどに便利なものであろう。
 また、人間関係的な問題が生じる可能性が少ないことも特徴である。確かに、逆に人間関係が軽薄になってしまうという問題もある。しかし、すべてがe-learning化されていない場合、あるいは他の社会的活動を行っている場合、その問題を補うことはある程度容易なものでもあると考えられる。その問題を補った上で、e-learningのそのメリットの例を考えてみる。その特徴的なものとして、キャンパス・セクハラが起こる可能性が少ないことがある。これは、不安感除去を考えるとよいことであろう。
 さらに、有用性として、その大学などに属していない人間も学ぶ機会を与えられるということがある。先ほど述べたように、私は所属していない学環・学府の授業を見ることが出来た。それは、個人のステップアップをより効果的に出来るものであろう。
 ただ、e-learningは、教員が生徒のリアクションを受けにくいという問題が残されているが、実際の授業よりも効果の少ないものであるが、BBSやe-learning受講者を教員に映すなどといった方法を考えるのもよいものではないだろうか。
 ともかく、e-learningを賛成するものとして、特に今後のe-learning技術の発展を願いたい。